「やりたい」と「できる」を一緒にしない
こんにちは!ショーゴ(@sho_trip)です。
就活支援をしていて感じることのひとつに「やりたいの二極化」があります。
この二極化、どちらもそのままだと就活失敗のリスクが高くなってしまうんですよね。
ということで、今回は就活における「やりたいこと」がテーマです。
「やりたい」の二極化
就職活動を始めたばかりの就活生との面談。
A.「好きなことしかやりたくないんです」
B.「やりたいことがないんです…」
最近はこのどちらかに偏っている人が多いなーと感じます。
ではこのまま就活を進めるとAさんとBさんはどうなっていくんでしょうか。
Aさん → 今の自分が興味がある業界・職種だけしか受けない
Bさん → 仕事の軸がないので、勤務地や給与など条件中心で受ける会社を決める
まずAさん。
大学生時点で認知している企業なんてほんの少ししかありません。
かつ、それは「働く側」ではなく、「お客様側」としての視点。
そして、一番怖いのはAさんの「やりたい」が全くミスマッチだった場合です。
本来は就活を進めていく中でいろんな会社と出会い、知らなかったことを知り、働くイメージを創っていく。
そのプロセスが大切。
実際、お客さんから見て良い会社が働く側としても良い会社とは限らないんですよ。
顧客第一主義を掲げてるけど、内情としては社員にお客様の為なら休日無しで何時間でも働け!という価値観の可能性だってあるからね。苦笑
やりたいのミスマッチ、とは明らかに無理な職種を志望しているケース。
企業側が採用時に見ている点の一つに「顧客に支持される人かどうか」があります。
いわゆる、〇〇っぽさ、ってやつです。
コレ、見た目が良いとか悪いとかじゃないんです。
例えば、キャビンアテンダントに求められる素養・見た目と、銀行員に求められる素養・見た目は違うといった感じ。
「そのままの自分で評価してもらいたい」
と考える就活生は多いです。
もちろん素に近い状態でマッチングするかは大切ですが、あくまでそれは価値観や社風の話で。
全てをそう考えるのはちょっとズレているかもしれません。
実際に企業に入って働くと、お取引先様やお客様と相対すことになる。
もし、入社後に取引先やお客様から好感を得られなければ、結局成果も上がらず、辛くなって離職しちゃうんですよね。
それは企業も就活生もお互いに望まない結果。
自分が持つ素養や個性が「やりたい」と合っていない場合、残念ながらいくら受けても内定をもらえる確率は低いということです。
では、Bさんはというと。
このタイプの人はとりあえず大手を受ける傾向が強くて。
知っている会社で、大手=安定というイメージからですね。
でも、「なぜこの会社じゃなきゃダメなのか」の動機が明確じゃなく、プラスやりたいこともないとなると、大手企業はただでさえ倍率が高い為、ふわっとした人はまず受かりません。
実は、Aさんタイプも大手に偏る傾向があります。
それは大学生の現時点で興味を持っている会社、となると名の知れた大手になる場合が多いからです。
加えて、親や大学の大手推しもあり、大手偏重という傾向になっているんですよね。
そして、もう一つのリスクは早期離職に直結しかねない、ということ。
今一社目を3年以内に辞めてしまう人(大卒)は約32%。
理由は「社風・価値観のミスマッチ」「人間関係」が大半です。
いくら会社が安定していても、給与や勤務地が理想的でも、会社の風土や周りにいる人と合わなければ辞めてしまいます。
会社の安定=自身の安定 ではないってこと。
そりゃそうですよね。
でも、自分が就活をしている時はわからなくなってしまいがちです。
いずれにしても、Aさん・Bさんともに
●自己分析に客観性がない
●視点が短期的すぎる
●視野が狭い
といった理由で就活失敗リスクを抱えてしまいます。
方向性を無理に絞らず並行する
新卒採用とは基本的に「のびしろ採用」です。
即戦力ではなく、自社の未来を創ってくれる人を先立って採用し、教育して育てる。
その点ではその会社のビジョン(やりたい)とその人の「やりたい」が重なれば内定が出やすいです。
ただ、上記はどちらかというと経営者や人事の視点。
選考過程で他に面接を担当することが多い「現場の上司・先輩」は違う視点で就活生を判断する傾向があります。
それは以下の3つ。
●一緒に働きたいか
●お客さんに好かれるか
●その仕事が「できそうか」
経営者や人事が「未来」を見据えているのに対し、現場は「今」を見ている。
Aさんは「自分の」やりたい重視なので、それがたまたま会社のやりたいと被れば社長と人事は好感を持ちますが、やりたい=できる とは限らない為、現場上司面接でNGになることがあり。
Bさんはやりたいがなく、他に軸もないのでどちらの層からもNGになりやすい。
結局、「やりたい」と「できる」の両面を問われることになるので、就活の進め方としては「やりたい」仕事と「できる」仕事を並行して受けていく方がセーフティということですね。
「できる」仕事は、入社後に自分が与えられる仕事内容を見たときに、好き嫌いはともかく、これまでの経験などから自分自身が「出来そうだな」とイメージできること、もしくは、友人など周囲の人からの「〇〇っぽいよね」といった他者評価から考えられます。
就活を進めている間は方向性を分けていたとしても、
最終的にいくつか内定をもらった段階で決断すれば良いわけなので。
「やりたい」と「できる」を一緒にしない
就活を終え、社会人になっても、「やりたい」と「できる」に関わる問題は続きます。
順調に仕事を覚えていくと、できることが増え、いずれ他にも「やりたい」ことが生まれます。最初は小さな「やりたい」ですが、どんどん想いが大きくなり、いずれ今の仕事(できること)より、やりたいことをしたくなる。
早期に成果を出せた人ほど、早くこのタイミングが訪れます。
そして、中には転職を決断する人も。
いざ、やりたいことで起業!
やりたい仕事に転職!
でも結局食べていけなくなった…
転職しなきゃよかった…
そんな人を何人も見てきました。
「やりたい」と「できる」(食える)は違う
一緒にせず、それぞれ別に考えることが大切だと思います。
最近は「複業OK」の企業が増えてきていますよね。
僕自身もいくつか複業をしているのですが、本業がしっかりあるので、お金になるならないに関わらず「やりたい」ことを複業で取り組めています。
そうすることで経済的なリスクを気にせず、やりたいことも出来、複業を仕事として育てていく時間も十分に取ることが出来ますよ。
実際、そうやって3年越しで少しずつ複業側でも収入が増えてきました。
就活においては、まず自己分析(主観)と他己分析(客観)にしっかり取り組み、自身の価値観・軸を明らかにする。そこから「やりたい」と「できる」の両方向から企業をいろいろ見て、探してみるとよいかと思います。
転職や起業、フリーランスだけじゃなく、本業をやりながら複業を育てることやそもそも複数の本業を持つ兼業など、今後働き方はさらに多様化し「やりたい」を叶える手段もたくさんのカタチが考えられます。
いずれにしても大切なのは、自分の意志や考え方、価値観をはっきり持つこと。
僕自身も目指している「自分らしい働き方・生き方」を実現できる人がもっと増えていけばいいなと思い、まとめてみました。
参考になれば嬉しいです。
ではでは。
Shogo
【ラジオはじめました】
北海道在住・現役人事広報の僕とゆりさん(@funifuniyuri)ふたりで人情系ラジオ・podcastを始めました。
普段、人事(ひとごと)に携わるふたりが語り合うから「ひとごとラジオ」。
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