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失敗を恐れる病 ~選挙に行かない若者たちから~

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みなさんこんにちは!ショーゴ(@sho_trip)です。

本日7月10日(日)は参議院選挙の投開票日ですね。

最近選挙の話題が多く流れている中で、一つ気になった話題がありました。

今回から選挙権が18歳以上に引き下げられ、若者の国政参加が叫ばれている中、選挙権を行使しない(選挙に行かない)若者は依然として多い。と。

 

今回、選挙に行かない理由のひとつとして、こんな理由が上がっていました。

 

『間違った選択をしたくないから』

 

この話題を聞いて思ったこと、

それはここ数年出会う人達の中で

『極度に失敗を恐れる人が多い』

ということ。

 

今回は『失敗を恐れる病』と題して、つらつらと思うところをまとめていきます。

それではどーぞ。

 

目次

  1. なぜ失敗を恐れる人が増えているのか
  2. 20代は失敗が許される『リミット』
  3. 『成功』と『失敗』の定義
  4. 大切なのは『失敗の仕方』

なぜ失敗を恐れる人が増えているのか

失敗

(スル)物事をやりそこなうこと。方法や目的を誤って良い結果が得られないこと。しくじること。

kotobank.jp

 

誰しも失敗は怖いもの。

それにしてもここ数年、採用の場面では就活生の『安定志向』が顕著に見えています。

就活生の声として毎年上がるのは

●安定したい

●1番じゃなくていい

●人並みにお金がもらえればいい

こういった価値観から、特にやりたいこともない、どうなりたいという理想もない。

そんな人も多くみられます。

『目立ちたくない』『挑戦して失敗したくない』

でも、SNS上では目立ちたい、友達の間では存在価値を示したい。そんな傾向。

ある種、病のようにじわじわと広がっているように感じます。

 

逆に多くの企業が採用したい人材像として挙げるキーワード

『独自性がある』『挑戦心が強い』『失敗を恐れない』

全く真逆だったりします。

 

だから、自分の意志があり、挑戦意欲が強い人に内定が集中しているのが現実です。

捉え方によっては、内定取りやすい時代なのになぁ、とも思ったり。

 

失敗を恐れる理由はこれまでもいろんな記事で書かれていますね。

「ゆとり教育の弊害だー」とか、「就職環境が厳しいから」とか。

まあ、環境のせいにするのは簡単だと思います。

 

でもどんな世代でも目立つ人・控えめな人はいますよね。

じゃあ、なんで失敗を恐れるのか。

僕が思う理由は『メリット』の問題なんではないかと。

【挑戦しても得られるものが少ない、失敗するリスクを背負うほどメリットがない】

そんな打算的な感情から挑戦する勇気を挫いているのではないかと考えます。

 

加えて、

【視点が短期的で長い目線で物事を考える習慣がついていない】

ことも理由の一つかと思います。

 

今は失敗するかもしれないが、その先に何があるのかまでは考えていない。

だから目の前の失敗・ストレスを回避するためにセーフティに生きようとする。

 

目の前のストレス回避は『問題の先送り』に他ならず、そのツケは後から必ず自分に戻ってきます。

続いては、20代という「世代」と「失敗」の関係性について。

 

20代は失敗が許される『リミット』

僕自身もかなりいい歳になりましたが、

周りの30代、40代以上の諸先輩が飲み会などで必ず言う事があります。

『若い時にもっとたくさん失敗しておけばよかったな』

「出た出た、おっさんたちの昔話か」と思うかもしれません。

 

でも、安心してください。

今10代・20代の人もあと10数年したら必ず言います 笑

実際、僕も20代の時、上の世代にそう思ってたので。 

 

人が大きく成長するための方程式について、僕はこう考えます。

 

『やりたいこと』×『やったことないこと』

 

自分が「本気でやりたい」と思う、

「やったことないこと」に挑戦したとき、人は大きく成長します。

 

ただ、やったことないことに取り組むと、当然慣れていないのでミスが発生する可能性は高まりますね。

 

でも、実際のところ、

入社して数年の間はたとえ失敗したとしても叱られはしますが、

「まあ、まだ若い(入社して間もない)し、しゃあないよね」

と思われるだけで済みます。

 

失敗を恐れ、知っている・出来る風を装い、表に出ないようにする人は過去同僚などでも何人も見てきましたが、そういう人たちの30代は結構悲惨ですよー。

30代になり、部下やチームを任されるようになってから、入社1年目の人でも知っている・出来るようなことが出来なかったときの周囲のリアクション

「え!三十●才にもなって、こんなことも知らない(出来ない)の!?」

となり、1つのミスで信頼が失墜しかねません。

 

【僕が思う40代までの世代別キーワード】

★20代 失敗を許されるリミット

★30代 経験から選択肢を広げ、狭めていく

★40代 自分の生業を定め、深める

 

終身雇用制度は既に崩壊、大企業でも安定が約束はされていない。

そんな日本社会において今後は転職や副業、起業が当たり前になるでしょう。

 

例えば、転職をするとしたとき。

20代のうちは前職での実績や意欲によって、

「やったことない仕事」でも採用される可能性はあります。

ただ、30代になってその職種の未経験者を採用する企業はほぼありません。

20代での経験が多岐にわたる場合、その経験した職種の中で30代でもキャリアチェンジすることができます。

しかし、30代が終わるまでに、自分の天職(生業)が何なのかをある程度定めなくてはなりませんね。

 

40代になると体力的にも精神的にも2・30代に比べると落ち込みます。

いろんなものに手を出すよりは1つの天職を深めていく時期になるかと思います。

 

つまり、自分のキャリア・ライフプランニングにおいて、

『20代でいかに多くの経験ができるか』

それが30代以降の人生を大きく左右するということ。

 

10代・20代という『失敗できる期間』をいかに活かすのか

最終的な自身のメリットに繋がります。

 

『成功』と『失敗』の定義

人は失敗を恐れる。

でもその『失敗の定義』は人それぞれだったりします。

ビジネスで大きな成果を収めた偉人も、失敗について様々な名言を残していますね。

 

失敗の多くは、

成功するまでにあきらめてしまうところに、原因があるように思われる。

最後の最後まで、あきらめてはいけないのである。

松下幸之助 (まつした こうのすけ/1894年11月27日-1989年4月27日)

松下電器産業創業者 (現 パナソニック) 

 

要は、

途中で諦めた時が失敗であって、成功するまで続ければ失敗じゃないじゃん。

ということ。

『諦めたらそこで試合終了ですよ』

と、某超有名バスケ漫画の監督も言ってましたよね。

 

実際、僕は仕事柄、業種・世代問わず多くの方にお会いする機会があるのですが、その中でも会社を起業されている方とか、表現力・発信力がある方、高い立場に就いている方にはひとつの共通点があります。

 

それは

『何らか大きな失敗・たくさんの失敗を乗り越えた経験がある』

ということ。

 

【事実】

●人間は『自身の失敗』から、より多くのことを学ぶ

●たくさん大きな失敗をしている人ほど、成長を勝ち得、活躍している

 

『小さな成功を喜び、積み上げる』

『途中で諦めなければ失敗ではない』

そんな定義付けを自分ですることが、失敗を恐れないための第一歩なのかもしれませんね。

 

大切なのは『失敗の仕方』

ビジネスにおいて、

『自分が自分の力で成果を勝ち得られる』場面はそんなに多くありません。

特に属しているのが大きな組織であればあるほど、そのチャンスは少なくなります。

一方、小さい事も含めれば、ミスを起こす可能性がある場面は毎日・何度も訪れます。

 

会社のチームメンバーの中で実際によくあるパターン

●仕事は出来るが、好かれていない人

●さほど仕事ができるわけじゃないのに周りに人が集まる人

前者は仕事ができるわけですから、成果を出しているのだと思います。

後者は仕事での成果はそこそこ、でも人が集まる。

そこを分けるものは『信頼』です。

 

会社やチームの中で信頼を勝ち得る人はいろんな要素を持っていますが、その中の大きなひとつが『失敗した時の対応』です。

 

例えば、自分が担当しているお客様からクレームが入ったとします。

お客様は怒り心頭で「責任者を出せ」と言っています。

●Aさん 「ちゃんと謝れば許してもらえるはずだ。もう一回謝りに行こう」

●Bさん 「すぐに課長に報告しよう」

●Cさん 「課長に同行を依頼し、謝罪に行きたい旨を課長に相談しよう」

誰の対応が最も適切でしょうか。

 

起業しようが会社に勤めようが、判断基準としなくてはならない価値観は

『いかに成果を大きくし、いかに被害は少なくするか』

ということ。

 

「自分が怒られるから」

そんなもんはチームの仕事においてはどうでもいいことです。

そんなプライドで飯は食えません。

 

Aさんは自分の保身を最優先に考えていますね。

こういう人がチームにとって最悪の結末を招きます。

 

Aさんがもう一度単身で謝りに行ってお客様の感情を逆撫で、さらに激怒してお客様が会社に直接電話しミスが発覚、課長が謝りに行っても収まらず、部長や取締役クラスまで謝りに行く羽目になる。

 

お客様からの会社への信頼が失墜、会社内でのチームの評価も落ち、自身の評価も下がるという最悪の結末。

結果、当初目的とした「保身」も成り立たず。

 

ではBさんはどうでしょうか。

すぐさまミスした旨を上長に報告。いいですよね。

でも入社してすぐならまだしも、3年以上経ってもこれだと物足りないですね。

 

Cさんはミスを上長にすぐ報告するのですが、ただ報告するのではなく、どう対処すべきか自身の案を持って相談しています。

こうすることで、自分の考えと上長がどう対応するのかの考えをすり合わせることができ、自分がいずれ上長になった時にどういう判断を下すのかの練習にもなります。

最速で最も被害を少なくすることを考えるだけではなく、失敗を次回以降の自分の糧にしようとする。

 

せっかくミスしたのだから、これをどうやって最大限プラスに転換できるかを考えるという発想。

ここまで行ければ、日々の仕事を通してどんどん成長できるでしょう。

 

こういった対応をすることで上司やチームメンバーからCさんは

●ミスしてもすぐに言う人 ⇒ 嘘をつかない

●チームの成果を考えてくれている

●失敗から学び取ろうとしている

と評価され、信頼される人になっていくでしょう。

 

【大切なのは失敗しないことではなく、失敗の仕方】

【悪い報告ほど早く】

これはビジネスに携わる人の基本とも言えます。

 

失敗を恐れる病を乗り越えたら、次は「失敗の仕方」にもこだわってみてはどうでしょうか。

 

ということで、今回は「失敗」について考えてみました。

最後に、これから社会に出る皆さんに僕から伝えたいことはひとつ。

 

失敗出来る年齢のうちに『失敗する権利』をもっと行使したほうがいいよ

 

もし選挙にまだ行っていない人がいましたら、

「日本という国がどうなっていったらいいな」

と、自分なりの考えをまとめる良い機会だと思いますので、自分の視点で何が正しいと思うかを考えて投票に活かしてもらえたらなと思います。

まず、動かなくては何も始まらないですしね。

 

それでは今回はこの辺で。

Thank you for your time!