自身の「個」を、「時間」を、切り売りする未来にあるものって
とりとめもない話。
先日Twitterのタイムラインに流れてきたあるトピックに目が止まった。
http://www.metaps.com/press/ja/368-2017-07-18-01-52-46
タイムバンクは、技術者、経営者、アスリート、歌手等、「専門家」と呼ばれる方々の空いている時間を、一般の「消費者」が購入、使用、売却、保有する事ができる「時間」の取引所
引用:株式会社メタップス プレスリリース
最近、個人が自分の価値を株のように発行・売買できる「valu」というサービスが話題になっているが、「タイムバンク」は個人そのものではなく、特定の個人の時間を他の個人が買ったり使ったり、さらに他人に売ったりできるというもの。
またひとつ時代が進むんだなぁと思ったのと同時に、あるひとつの恐さも浮かんだ。
「自身の存在」がどんどん希薄になっていくんじゃないか。
それぞれの人の持つ技術や知識を価値に変える手法が多彩になるのと同時に、AIやクローン技術も進化している今、価値がある人の思考回路・脳を持つAIもまた今後売買の対象になりそう。
そうなったとき、
AIが思考を完全に模倣できるのであれば、本人の存在はどうなる?
いや、そんなこと心配してどーする。って思うかもしれないけど、美容師さんや伝統工芸の職人さんのように「手業」を価値に変えているならともかく、僕ら人事や経営者・コンサルなどのように、「知」や「思考」で価値を生み出して生きている人たちにとっては大きなリスクだと思った。
じゃあ、どうすればいいか。
本人の知的価値だけじゃない、
でも、「その人しか持ち得ない価値」がこれからは大切になるんだろう。
僕が思う、その人しか持ち得ない価値。
それは「信頼」と「人脈」じゃないか。
人柄・キャラクター、周囲の人との触れ合い方などから積み上げられた「信頼」が本人が持っていない強みを持つ仲間との「人脈」を生み、チームで大きな価値を生み出すことに繋がる。
機械にはマネの出来ないこと。
これからはどんなにお金があったとしても、信頼と人脈がなければ頭打ちになる。
逆に今はお金がなくとも、信頼と人脈がある人には機会(チャンス)が訪れ、お金を得られる可能性が高まる。
valuやタイムバンクもそのためのひとつのツールなんだろう。
でも、僕はネット上で会ったこともない人に向けて発信した、かりそめの自分への評価がいきなりお金に変わるのは怖いので、評価してくれる人には直接会ってみたいし、直接会ってくれた人が価値を感じてもらえるような仕事を日々していきたい。
「お金の総量」よりも「信頼の総量」がモノを言う。
そんな世の中になるんじゃないかと感じた今日この頃。
あらためて、ご縁を大切に。
日々仕事をいただけることと、仲間たちに感謝したい。